ギックリ腰について
急激にくる腰部への激痛
ドイツ語では魔女の一撃と表現され、その場で崩れ落ちる人もいる程の、腰部に強い痛みを感じる、誰でも知る有名な症状です。
まず、その腰の痛みが、本当にギックリ腰なのか、わたしが患者さんのお話を聞く中で、イメージしていることを挙げてみます。
★その痛みはギックリ腰?
問診をしていく中で、脳疾患、心疾患などのいわゆるレッドフラッグを除外した前提です。
腰の痛みが発生した時の状況を伺い、
1.椎間板ヘルニアの可能性はないか
腰の痛みよりも足の痛みやしびれ、なんとなく足の感覚が左右違う、あるいは、足に力が入らないなど、足の方が気になる
2.圧迫骨折の可能性はないか
年配の方、特に骨粗しょう症と言われた事があり、それほどたいして動いた記憶もないのに、腰の痛みが強い
3.尿路結石や内臓疾患の可能性はないか
腰にも痛みがあるにはあるが、側腹部や背中が痛い、さらに動いてもじっとしていても痛みは変わらない
ギックリ腰であっても上記の症状が出る場合もあるので、私が施療してもいい範囲なのか、専門のドクターにお願いしたほうがいいのか。判断をします。
あくまで、参考までの話ですので、自己判断はせず、当院も含め、専門の先生からのアドバイスを受ける事を強くお勧めします。
★ギックリ腰ってなにが起きてる?
さて、ギックリ腰と言っても、いったい腰でなにが起きているのでしょうか
実のところ、はっきりした事は分かっておりません。
腰の骨(腰椎)の関節部分の捻挫であるとか、腰周囲の筋肉や筋膜などに傷がついた状態ではないかと言われています。
いずれにしても、強い痛み、患部に熱を持っている、動きに制限がある、腫れが出ている場合もあるなど、炎症の症状は認められるので、何らかの損傷は起きていると思います。
★ギックリ腰になってしまった
さて、実際に腰に激痛が発生した時に、患者さんからよく質問されることがあります。
<患部は冷やす?温める?>
痛み始めてまもない頃、当日翌日で、痛みが強い、刺すように痛い(痛みの表現は個人個人で違うので、難しいですが)とにかく痛くて動けないくらいの場合は、患部を冷やす事をお勧めします。(炎症の症状を抑えるため)
冷やし方は、氷水で冷やすのがベストです。
10ー15分ほど患部にあて、1時間休憩をし、また10ー15分冷やす、これを一日の間、2度3度、4度5度と、繰り返し行います。
ところで、保冷剤で冷やすのは、あまりお勧めはできません。温度が低すぎ、無理に冷やすと、血管が麻痺性拡張を起こし、余計に熱を帯びたり、痛みが増すことがあります。
どうしても氷水が用意できない時は、保冷剤をタオルなどで包み、温度の調整をして下さい。
痛み始めてから4.5日後や、痛みが重い痛み、鈍痛などの場合は、温めるといいでしょう
<コルセットはした方がいい?>
安静に横になっている場合には必要はないと思いますが、どうしても動かないと行けない時は、積極的に使用して下さい。
よく、あまり頼りすぎると、筋肉が落ちるとか、内臓に良くないから心配と言う話を良く聞きます。
継続して使い続けるのは、そういった心配も出てきますし、高齢の方で、もともと足元が弱られている場合には、専門の先生の指導を仰ぐ必要があるかもしれません。
そう言った場合を除けば、今の痛みを早く取り除くためには、なるべく負担を減らす必要があるため、コルセットを使用した方がいいと考えます。
<お風呂は入っていい?>
患部を冷やす時期と同じになりますが、痛みが強い、動くのも辛い、刺すように痛い、などの場合は、出来ればお風呂は控えて下さい。
どうしてもエチケット上、気になるようでしたら、シャワー程度で汗を流し、湯船にはつからないようにしましょう。と言っても、1日2日、お風呂に入らなくても、死にはしません。
ギックリ腰になった翌日にお見えになった患者さんで、「昨日お風呂に入ったら気持ちよかった」とお話を伺うことがあります。
こう言った場合は、ギックリ腰の程度が軽くすんでいるか、炎症が腰全体に広がり、どこが痛いか分かなくて、痛みが酷くなっていることがあります。
ギックリ腰は、季節の変わり目、寒暖差の激しい時期に多いと思います。
当院にギックリ腰の方が、駆け込んでくるのは、そう言った時期に立て続けにある事は、本当によくあります。
そんな時期に差し掛かっている時は、
ストレッチ、早めの睡眠、などを行い、ギックリ腰にならない対策をして下さい。
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